bananake-tai’s diary

大学数学初学者のブログ

注意:スマホからのアクセスは、PC版でご覧してもらうとまく表示されます。

最小多項式

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com 前回は代数拡大について定義したが、代数拡大の性質について調べていく。 定理 $L/K$ を体の拡大とする。 このとき、$[L:K]<\infty$ なら、$L$ は代数拡大となる。 証明 $[L:K]=n$ とする。 $B=\{1,\d…

代数拡大

この話は、基本的な群、環の知識を持っていると仮定し、体の定義も知っていると仮定する。 定義(拡大体) 体 $L$ の部分環 $K$ が体であるとき、$K$ は $L$ の部分体、$L$ は $K$ の拡大体という。 また、$L/K$ は拡大体であるともいう。 例 $\mathbb{R}/\m…

位数p^2の群の分類

今回は位数 $p^{2}$ の群の分類をする。 命題 $G$ を群、$H,K\lhd G$ で、$H\cap K=\{1_{G}\}$ 、$HK=G$ とする。 このとき、$G\cong H\times K$ となる。 また、上記の命題を使う。 補題 $G$ が $p$ 群なら、$Z(G)\neq \{1\}$ である。 証明 $G$ の類等式を…

位数15の群の分類

シローの定理を使って位数15の群を分類する。 その前に必要な命題を証明する。 命題 $H

シローの定理(2)

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com 補題 $G$ を群とし、$N\lhd G$ とする。 このとき、$\forall H

シローの定理(1)

シローの定理とは、有限群を調べるうえで重要な定理である。 シローの定理を示すのは結構大変で、いくつかの命題が必要となる。 定義(中心化群) $H$ を 群 $G$ の部分群とする。 $Z_{G}(H)=\{g\in G\mid \forall h\in H\ ,gh=hg\}$ を $H$ の中心化群とい…

群の作用

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com 対称群や2面体群は複雑な群であったが、それぞれ要素の並べ変えや、平面の変換と考えることで、 その群の性質をとらえることができた。このような考えの一般化が群の作用である。 定義 $G$ を群、$X$…

剰余群

前回、剰余類というのを考えた。 bananake-tai.hatenablog.com 今回は、剰余類がいつ群になるのかを考える。 命題 $N\lhd G$ とする。 $\forall g\in G, gN=Ng$ が成立する。 証明 $\forall x\in gN$ をとる。 $\exists n\in N; x=gn$ $N\lhd G$ なので、$gn…

剰余類

る今回は、群論で非常に重要な概念となる剰余類についてかく。 定義 $H$ を 群 $G$ の部分群とする。 $\forall x,y\in G$ に対し、 $$ x\sim y\Leftrightarrow x^{-1}y\in H $$ と定義すると、$\sim$ は $G$ 上の同値関係となる。 このとき、$x\in G$ の同値…

群の生成と2面体群

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com まずは、演習の解説からする。 演習 命題2の $(4)\Rightarrow (1)$ を示せ。 命題5を直交群の同値命題 $(3)$ を用いて証明せよ。また、幾何学的な意味も考察せよ。 $G$ を可換群、$G'$ を群とする。…

直交群

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com とりあえず、演習の証明からする。 演習 $G,G'$ を群とし、$f:G\to G'$ を準同型とする。 このとき、 $$ N'\lhd G'\Rightarrow f^{-1}(N')\lhd G $$ を示せ。 $1$ を用いて命題3を証明せよ。 $G,G'$ …

対称群2

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com まずは、演習の解説からする。 演習 $\in S_n$ が $\forall k\in X_n$ に対して $(k)\leq k$ のとき、$=1_{X_n}$ であることを示せ。 $\forall$$\in S_n$ と $=(i_1\ i_2\ \cdots\ i_r)$ に対して、 $…

正規部分群

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com まずは、演習の証明からする。 演習 $G$ を群とする。次を示せ。 $H

対称群

群に関しての記事を書いているが、特に重要な対称群とうトピックについて個別に書いていくことにする。 なぜ、対称群が重要なのかというと、5次以上の方程式の場合解の公式がないという定理ついて聞いたことがある人もいるかもしれないが、 それと関わって…

部分群

今回は部分群に関して書いていく。 bananake-tai.hatenablog.com まずは、上記の演習の証明からする。 演習 $G,G'$ を群として、$\phi:G\to G'$ を準同型とする。 このとき、$\forall a\in G$ に対して、 $$ \phi(a^{-1})=\phi(a)^{-1} $$ であることを示せ…

群の準同型写像

今回は以下の続きで準同型写像というものについて書く。 bananake-tai.hatenablog.com まずは演習をとく。 演習 群 $G$ の逆元は一意的であることを示せ。 証明 $\forall a\in G$ をとる。 $\exists b,b'\in G\ ;ab=e,ab'=e$ とする。 $$ b=be=b(ab')=(ab)b'…

群の定義

今回は群についてかく。 とりあえず、群の定義をする。 定義(群) $G$ を集合とする。 $G$ に対して、$2$ 項演算 $f:G\times G\to G$ が定まっているとする。 $f(a,b)=ab$ 書く。 $(G,f)$ が群である $ \begin{align} \overset{\mathrm{def}}{\Leftrightarr…

行列の演算

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com 前回は行列の定義をして、色々な特徴的な行列の例をあげた。前回の行列の定義でも問題はないのだが、厳密な行列の定義もしておく。 定義(行列) $I,J$ を有限集合とする。 このとき、 $$ A:I\times J…

同値関係

以下の定義の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com 定義(2項関係) $X$ を集合とすると、$R\subset X\times X$ を $X$ 上の2項関係という。 $\forall x,y\in X$ に対して、$x$ と $y$ に関係があるというのを $(x,y)\in R$ と定義し、$a\sim b$ また…

行列の定義

前回は、行列の例として以下の記事で連立方程式を紹介した。 bananake-tai.hatenablog.com 今回から、行列の定義から始める。 定義(行列) $$ A= \left( \begin{array}{c} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdo…

行列の始まり

最初は簡単な導入のため2次の行列で解説する。 中学生の頃に連立方程式を解いたと思う。たとえば、以下のような連立方程式を解いてみる。 $$ \begin{align} \left\{ \begin{array}\ctos x+y=3&\cdots(1)\\ 2x+5y=9&\cdots(2) \end{array} \right. \end{alig…

逆写像2

以下の記事の続きをかく。 bananake-tai.hatenablog.com まずは演習の証明からする。 演習 逆写像の定義1で逆写像の一意性を証明せよ。 証明 今、 $$ \exists g:Y\to X\ ;g\circ f=1_X \land f\circ g=1_Y\\ \exists g':Y\to X\ ;g'\circ f=1_X \land f\cir…

集合族

今回は集合族について書く。 定義(集合族) $\Lambda,A$ を集合とする。 $a:\Lambda \to A$ を写像とする。 このとき、$a(\lambda)$ を $a_{\lambda}$ と書く。 $a$ を$\Lambda$ によって添え字づけられた $A$ の元の族という。 また、 $$ a=(a_{\lambda})_…

リーマン積分の定義

高校では、積分を微分の逆の演算として習った。 たとえば、 $$ \begin{align} \int_{0}^{2}x^{2}=\left[\frac{1}{3}x^{3}\right]^2_0=\frac{8}{3} \end{align} $$ であるが、これは以下の図の面積を求めているのであった。 次に、以下の関数を考える。 $$ \b…

逆写像1

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com まずは、演習の証明からする。 演習 $f:X\to Y,g:Y\to Z$ とする。 $g\circ f$ が全射なら、 $g$ は全射であることを示せ。 $f:X\to Y,g:Y\to Z$ とする。 $g\circ f$ が全射で、$g$ が単射ならば、$f…

区分求積法1

今回は厳密にはやらないで、高校数学の範囲で区分求積法をお話する。 ある図形の面積を求めるには、どうしたらよいのだろうか。長方形や三角形を組み合わせてできる図形なら求まりそうだが、 曲がっている図形の面積を求めるのは難しそうである。たとえば、…

全射と単射2

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com 演習 $f:X\to Y$ とし、$B\subset Y$ とする。このとき、次の $(1),(2)$ は同値である。 $(1)\ f$ は全射である。 $(2)\ B\subset Y\Rightarrow f\left(f^{-1}(B)\right)=B$ $f:X\to Y,g:Y\to Z$ とす…

調和級数の発散

今回は、調和級数というについてかく。 調和級数とは以下のように $$ 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{5}+\frac{1}{6}+\frac{1}{7}+\frac{1}{8}+\frac{1}{9}+\frac{1}{10}+\cdots $$ と永遠に逆数を足し続ける級数である。高校でならったシ…

全射と単射

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com まずは、演習の解答からする。 演習 一般的には、$f(A\cap B)=f(A)\cap f(B)$ は成立しない。成立していない状況を図で表せ。 $f:X\to Y$ とし、$B\subset Y$ とする。このとき、 $f\left(f^{-1}(B)\r…

合成写像と写像の制限

以下の記事の続きを書く。 bananake-tai.hatenablog.com まずは演習の証明からする。 演習 空集合の部分集合は空集合のみであることを示せ。 $f:X\to Y$ $A,B\subset X$ とする。 2.1 $f^{-1}(f(A))\supset A$ を示せ。 2.2 $f(A\cap B)\subset f(A)\cap f(B…