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bananake-tai’s diary

大学数学初学者のブログ

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公理的集合論1

はじめに

前に以下の記事で、高校数学の集合の定義では不十分だとお話した。 bananake-tai.hatenablog.com

では、どのようなものを集合と呼べばよいのだろうか。公理的集合論の話に入る前に少し集合論の歴史を知っといた方が良い気もするが、それは別の記事に書くことにする。 ただ、上記の記事に記載したように、ラッセルの逆理などを回避するために新しい体系が必要ということは納得してほしい。

今回は、ツェルメロが1908年に定式化し発表し、1920年代にフレンケルによって拡張(改良)されたZF公理系を紹介する。 よく、ZFC公理系という言葉も聞くかもしれないが、とりあえず8つの公理からなるZF公理系について2つほど紹介する。 ZFとはツェルメロ(Zermelo)のZとフレンケル(Fraenkel)のFである。

本当に詳しくやると、述語など論理学の知識も必要になるので、細かいところはまた今度補足する。

ZF公理系とはの8つ(今回は2つのみ紹介)からなる。

外延性の公理

$$ \forall x\forall y(\forall z(z\in x \Leftrightarrow z\in y)\Longrightarrow x=y) $$

空集合の公理

$$ \exists x \forall y\lnot (y\in x) $$

普段は集合を $X$ と大文字で書いているので慣れないかもしれないが、公理的集合論の場合では $x$ と小文字で集合を書くことが多い。
さて、慣れない人は記号ばかりかと思うので、いちお日本語でも書き、個人的な考察をする。

外延性の公理

任意の $x,y$ に対し、すべての $z$ で、$z\in x$ と $z\in y$ が同値なとき、$x=y$ が成立する。

つまり、外延性公理の主張は、「集合はその要素により一意的に決まる」ということである。簡単に言えば、2つの集合の要素が等しければ、その集合は同じであるということである。
集合にも同等関係(=)を入れたいという気持ちは自然であると思う。

空集合の公理

要素を一つももたない集合が存在する。

これは、高校数学でも用いていた空集合の存在を保証するものである。 昔は、ヨーロッパでは0が存在を受け入れられなかったが、今はそのような時代ではないので、なにもない(無)の存在、つまり、空集合の存在を考えても不思議ではないと思う。
外延性の公理から空集合の存在は一意的である。ここでの疑問は、そもそも、公理に空集合の存在を保証する必要があるののだろうか。結論から言えばもちろんYesであるが、なぜだろうか。いったん高校の集合論に戻って話す。たとえば、 $$ A=\{a,b,c\},B=\{1,2,3\} $$ という集合があったとき、$A$と$B$の共通部分を考えた。もし空集合が存在しないとしたら、 $$ A\cap B= $$ は、なにになるのだろうか。空集合の存在を保証しておかなければ、共通部分がないときに困ってしまう。これで、空集合の存在の保証の必要性がわかっていただけたと思う。最初から空集合と呼んでしまっていたが、このような集合を空集合とよび、$\varnothing$ で表す。

演習

  1. 外延性の公理を用いて、空集合の一意性を証明せよ。

間違いや、感想がありましたら、コメントをよろしくお願いいたします。

参考文献

http://pauli.isc.chubu.ac.jp/~fuchino/tmp/kikaku03.pdf aozoragakuen.sakura.ne.jp

{ \displaystyle
owari
} http://pauli.isc.chubu.ac.jp/~fuchino/tmp/kikaku03.pdf