bananake-tai’s diary

大学数学初学者のブログ

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調和級数の発散

今回は、調和級数というについてかく。
調和級数とは以下のように $$ 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{5}+\frac{1}{6}+\frac{1}{7}+\frac{1}{8}+\frac{1}{9}+\frac{1}{10}+\cdots $$ と永遠に逆数を足し続ける級数である。高校でならったシグマの式で表すと、調和級数は $$ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n} $$ と表せる。
さて、この級数はある値に収束するのだろうか、それとも発散するのだろうか。いったん、具体的に数値を見てみる。

n $\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n}$
$10$ 2.8289
$10^{3}$ 7.4844
$10^{5}$ 12.0901
$10^{7}$ 16.6953

どんどん、足す数は小さくなっているので収束しそうに思えるが、合計としてはどんどん増えていっているようにみえる。実際、この級数は発散してしまう。では、まずは少しゆるくそれを証明する。

命題

$$ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n}=\infty $$

証明(簡易)

$$ \begin{align} \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n}&=1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{5}+\frac{1}{6}+\frac{1}{7}+\frac{1}{8}+\cdots \\ &=1+\frac{1}{2}+\left(\frac{1}{4}+\frac{1}{4}\right)+\left(\frac{1}{5}+\frac{1}{6}+\frac{1}{7}+\frac{1}{8}\right)+\cdots \\ &>1+\frac{1}{2}+\left(\frac{1}{4}+\frac{1}{4}\right)+\left(\frac{1}{8}+\frac{1}{8}+\frac{1}{8}+\frac{1}{8}\right)+\cdots \\ &=1+\frac{1}{2}+\frac{1}{2}+\frac{1}{2}\cdots \end{align} $$ よって、調和級数は発散する。

これを、もう少し厳密に証明する。

証明(厳密)

$\forall k\in \mathbb{N}$ に対して、 $$ \begin{align} \sum_{n=2^{k}+1}^{n=2^{k+1}}\frac{1}{n}&=\frac{1}{2^{k}+1}+\frac{1}{2^{k}+2}+\cdots +\frac{1}{2^{k+1}}\\ &>\frac{1}{2^{k+1}}+\frac{1}{2^{k+1}}+\cdots +\frac{1}{2^{k+1}}\\ &=\frac{2^{k}}{2^{k+1}}\\ &=\frac{1}{2} \end{align} $$ となる。$\forall m\in \mathbb{N}$ を1つ固定する。


\begin{eqnarray}
\sum_{n=1}^{2^{m}}\frac{1}{n}&=&1+\frac{1}{2}+\sum_{k=1}^{m-1}\sum_{n=2^k+1}^{2^{k+1}}\frac{1}{n}\\\
&\geq&1+\frac{m}{2}\to \infty \   (m\to \infty)
\end{eqnarray}

よって、発散することが分かった。

調和級数の発散を証明する方法はほかにもあるので色々試してほしい。

間違いや、感想がありましたら、コメントをよろしくお願いいたします。

参考文献

小平邦彦, 解析入門Ⅰ, 岩波書店, 2015.