bananake-tai’s diary

大学数学初学者のブログ

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区分求積法1

今回は厳密にはやらないで、高校数学の範囲で区分求積法をお話する。

ある図形の面積を求めるには、どうしたらよいのだろうか。長方形や三角形を組み合わせてできる図形なら求まりそうだが、 曲がっている図形の面積を求めるのは難しそうである。たとえば、円の面積を求めることはなかなか難しい。 そこで、でてきた考え方がある領域を細かく長方形に分割して足し合わせるという考え方である。これが、積分の原点である。 以下の図のようなイメージである。

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もっと、長方形を細かくしていったら、なんとなく曲線で囲まれた図形の面積がでそうである。 では、一般に関数と $x$ 軸で囲まれた面積を長方形で近似してみる。
$f(x)=x^{2}$ と区間 $[0,1]$ で囲まれた面積を考える。つまり、以下の図の面積を求める。

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まず、区間 $[0,1]$ を $n$ 等分する。 イメージとしては以下のようなことをおこなう。

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斜線部の面積の合計 $S_n$ は、


\begin{eqnarray}
S_n&=&\sum_{k=0}^{n-1}\left(\frac{1}{n}\right)\left(\frac{k}{n}\right)^2\\\
&=&\frac{1}{n^3}\sum_{k=1}^{n-1}k^2 \\\
&=&\frac{1}{n^3}\cdot \frac{1}{6}(n-1)n(2n-1) \\\
&=&\frac{1}{6}\left(1-\frac{1}{n}\right)\left(2-\frac{1}{n}\right)
\end{eqnarray}

である。
もっと、区間の分割の幅を小さくしたら求めたい面積に近づきそうである。つまり、分割の幅 $n$ を $\infty$ にする。すなわち、 $$ \lim_{n\to \infty}S_n=\frac{1}{3} $$

となり、極限を考えたらある一定値になった。実はこの値は、$f(x)=x^{2}$ を $0$ から $1$ まで積分した値と見事に一致する。すなわち、 $$ \int_{0}^{1}x^{2}=\frac{1}{3} $$ となる。 これは、偶然なのだろうか。次に、同じ関数で足し合わせる高さを変えて、求めたい面積よりも大きく面積を近似する。
つまり、以下の図のように面積を求める。

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斜線部の面積の合計 $T_n$ は、


\begin{eqnarray}
T_n&=&\sum_{k=1}^{n}\left(\frac{1}{n}\right)\left(\frac{k}{n}\right)^2\\\
&=&\frac{1}{n^3}\sum_{k=1}^{n}k^2 \\\
&=&\frac{1}{n^3}\cdot \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) \\\
&=&\frac{1}{6}\left(1+\frac{1}{n}\right)\left(2+\frac{1}{n}\right)
\end{eqnarray}

となる。同様に、$T_n$ の極限を求めてみると、 $$ \lim_{n\to \infty}T_n=\frac{1}{3} $$ となる。先ほどよりも、大きく面積を近似したはずなのに分割を細かくしてみると、極限値は一致してしまう。よって、以下の関係が成り立つ。


\begin{eqnarray}
\int_{0}^{1}x^{2}=\lim_{n\to \infty}S_n=\lim_{n\to \infty}T_n=\frac{1}{3}
\end{eqnarray}

高校数学の範囲では、積分をこのように細かく分割して足し合わせるものとしてとらえていないので不思議である。実は大学ではこれと似た方法で積分を定義するので、 大学で積分論を学んでいる人にとったら、当たり前なのである。

次回は、この考え方を用いて、高校で習う区分求積法へ一般化する。

間違いや、感想がありましたら、コメントをよろしくお願いいたします。

参考文献

小平邦彦, 解析入門Ⅰ, 岩波書店, 2015.
大島 利雄, 数学Ⅲ, 数研出版, 2013.
チャート研究所, 基礎からの数学Ⅲ, 2014.