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bananake-tai’s diary

大学数学初学者のブログ

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リーマン積分の定義

高校では、積分微分の逆の演算として習った。 たとえば、 $$ \begin{align} \int_{0}^{2}x^{2}=\left[\frac{1}{3}x^{3}\right]^2_0=\frac{8}{3} \end{align} $$ であるが、これは以下の図の面積を求めているのであった。

f:id:bananake-tai:20170407220355j:plain:w300

次に、以下の関数を考える。 $$ \begin{align} f(x)= \left\{ \begin{array}{l} x&(x\neq 1)\\ 2&(x=1) \end{array} \right. \end{align} $$ これは、以下の図のような関数である。

f:id:bananake-tai:20170407220407j:plain:w300

このとき、$\int_{0}^{2}f(x)$ はどうなるのだろうか。微分して $f(x)$ となる関数をみつけるのが難しそうなので求まりそうにない。 しかし、このような関数にも積分は定義したい。そもそも、微分の逆演算で面積を求めるというのはなかなかイメージもしずらいと思う。 よって、積分の正確な定義がほしくなる。以下の記事でも話したが、面積を長方形に細かく分割して足し合わせたら、元の面積に近づきそうである。

bananake-tai.hatenablog.com

そのような考えで積分を定義する。

定義(リーマン和)

$f:[a,b]\to \mathbb{R}$ を連続関数とする。
$I=[a,b]$ とおき、$n\in \mathbb{N}$ を1つ固定する。
また、I_k=[x_{k-1},x_k] とする。
今、$I$ に属する $n+1$ 個の点を、 $$ a=x_0<x_1<x_2\cdots <x_n=b $$ と定め、$\Delta =\{x_0,x_1,x_2\cdots ,x_n\}$ を $I$ の分割という。
また、


|\Delta|=max\{x_n-x_{k-1}\mid k=1,\dots,n\}

を 分割 $\Delta$ の幅という。
$1\leq\forall k\leq n$ に対して、$\xi_k\in I_k$ を1つ固定する。この $\xi_k$ を代表点という。


\begin{eqnarray}
S(f;\Delta;\xi)=\sum_{x=1}^{n}f(\xi_k)(x_k-x_{k-1})
\end{eqnarray}

を $(\Delta;\xi)$ に対する、$f$ の $Riemann$ 和という。

リーマン和とは、以下の図の斜線部を表している。

f:id:bananake-tai:20170408105137j:plain:w350

これだと、曲線と $x$ 軸に囲まれた面積ではないので、もっと、分割の幅を小さくする。
イメージは以下の図である。

f:id:bananake-tai:20170408190211j:plain:w400

このように、分割の幅をどんどん狭めていけば、曲線と $x$ 軸に囲まれた面積が求まりそうである。 このような考えで、リーマン積分を定義する。

定義(積分

$f:[a,b]\to \mathbb{R}$ を連続関数とし、$I=[a,b]$ とおく。
$\mathscr{D}(I)$ を $I$ の分割全体の集合とする。
$f$ が $I$ 上(リーマン)可積分である
$\overset{\mathrm{def}}{\Leftrightarrow}$ $\exists \alpha\in\mathbb{R}\ ;\forall \varepsilon >0\ ,\exists\delta(\varepsilon)>0\ ;\forall\Delta\in\mathscr{D}(I)\ ,\forall\xi_k\in I_k\ (|\Delta| <\delta(\varepsilon) \Rightarrow |S(f;\Delta;\xi)-\alpha |<\varepsilon)$
また、このとき、 $$ \alpha=\int_{a}^{b}f(x)dx $$ と表し、$f$ の $I$ 上の $Riemman$ 積分という。

また、 $$ \lim_{|\Delta|\to 0}S(f;\Delta;\xi)=\alpha $$ とも表す。

つまり、区間の分割や、代表点のとりかたによらないことが必要ということである。

これで、閉区間上で定義された連続関数に対しては、積分は定義された。定義されたが、必ず、 極限値 $\alpha$ は存在するのだろうか。つまり、閉区間上で定義された連続関数にたいしては、リーマン可積分になるのだろうか。
いったん、定義通りに積分を計算をしてみる。

例題1

$f:[a,b]\to \mathbb{R}$ を $f(x)=x$ と定める。
このとき、 $$ \int_{a}^{b}f(x)=\frac{1}{2}(b^{2}-a^{2}) $$ が成立する。

証明

$\alpha=\frac{1}{2}(b^{2}-a^{2})$ とする。
今、$\forall \varepsilon >0$ を1つ固定し、$\Delta$ を任意の $I$ の分割とする。
\eta_k=\frac{x_k+x_{k-1}}{2} とおくと、


\begin{eqnarray}
S(f;\Delta;\eta)&=&\sum_{k=1}^{n}f(\eta_k)(x_k-x_{k-1})\\\
&=&\sum_{k=1}^{n}\frac{x_k+x_{k-1}}{2}(x_k-x_{k-1})\\\
&=&\frac{1}{2}\sum_{k=1}^{n}(x_k^2-x_{k-1}^2)\\\
&=&\frac{1}{2}(x_n^{2}-x_0^{2})\\\
&=&\frac{1}{2}(b^{2}-a^{2})\\\
&=&\alpha
\end{eqnarray}

となる。
次に、各 $k$ に対し、$\forall \xi_k\in I_k$ を1つ固定する。
また、$\delta(\varepsilon)=\frac{\varepsilon}{b-a}$ とすと、


\begin{eqnarray}
|S(f;\Delta;\xi)-\alpha|&=&\left|\sum_{k=1}^{n}f(\xi_k)(x_k-x_{k-1})-\sum_{k=1}^{n}f(\eta_k)(x_k-x_{k-1})\right|\\\
&=&\left|\sum_{k=1}^{n}(\xi_k-\eta_k)(x_k-x_{k-1})\right|\\\
&\leq&\sum_{k=1}^{n}|\xi_k-\eta_k|(x_k-x_{k-1})
\end{eqnarray}

となる。
また、\eta_k,\xi_k\in I_k なので、


\begin{eqnarray}
|\xi_k-\eta_k| \leq x_k-x_{k-1} \leq |\Delta|
\end{eqnarray}

である。よって、$|\Delta| <\delta(\varepsilon)$ のとき、


\begin{eqnarray}
|S(f;\Delta;\xi)-\alpha|&\leq& \sum_{k=1}^{n}|\Delta|(x_k-x_{k-1})\\\
&=&|\Delta|(b-a)\\\
&<&\varepsilon
\end{eqnarray}

よって、$\int_{a}^{b}f(x)dx=\alpha$ である。

$\Box$

このように、定義通り計算すると非常にめんどくさい。とりあえず、色々計算して慣れてほしい。

演習

  1. $f:[a,b]\to \mathbb{R}$ を $f(x)=e^{x}$ と定める。
    このとき、 $$ \int_{a}^{b}f(x)=e^{b}-a^{a} $$ が成立することを示せ。

間違いや、感想がありましたら、コメントをよろしくお願いいたします。

参考文献

小平邦彦, 解析入門Ⅰ, 岩波書店, 2015.
http://www7b.biglobe.ne.jp/~h-kuroda/pdf/text_calculus.pdf