bananake-tai’s diary

大学数学初学者のブログ

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位数p^2の群の分類

今回は位数 $p^{2}$ の群の分類をする。

命題

$G$ を群、$H,K\lhd G$ で、$H\cap K=\{1_{G}\}$ 、$HK=G$ とする。
このとき、$G\cong H\times K$ となる。

また、上記の命題を使う。

補題

$G$ が $p$ 群なら、$Z(G)\neq \{1\}$ である。

証明

$G$ の類等式を考えると、 $$ |G|=|Z(G)|+\sum_{i}|C(x_{i})| $$ $|C(x_{i})|\neq 1$ なので、$p$ の倍数で、$Z(G)=\{1\}$ なら、$|G|$ が $p$ 群であることに矛盾。
よって、$Z(G)\neq \{1\}$ である。

$\Box$

命題

$G$ を群とし、$|G|=p^{2}$ なら、$G$ はアーベル群である。

証明

$Z(G)<G$ と補題より、$|Z(G)|$ は $p,p^{2}$ のどちらかである。
$|Z(G)|=p$ とする。
$x\in G\backslash Z(G)$ をとり、$H=<x>$とする。
$Z(G)\subset Z_{G}(H)$ で、 $\forall h\in H\ xh=hx$ で、$x\in Z_{G}(H)$ なので、$Z(G)\neq Z_{G}(H)$
よって、$|Z_{G}(H)|>p$ であり、$Z_{G}(H)<G$ なので、$|Z_{G}(H)|=p^{2}$ となるしかない。
よって、$Z_{G}(H)=G$ となるが、これは $x\in Z(G)$ を意味する。 これは、$x\in G\backslash Z(G)$ に矛盾。
よって、$|Z(G)|=p^{2}$ なので、$G=Z(G)$ となり、$G$ はアーベル群である。

$\Box$

定理

$p$ を素数として、位数 $p^{2}$ の群は $C_{p^{2}}$ か $C_{p}\times C_{p}$ に同型である。

証明

$G$ を群で、$|G|=p^{2}$ とする。
元の位数は群の位数の約数なので、$1,p,p^{2}$ のどれかである。
もし、$p^{2}$の元が存在すれば、$G$ は巡回群となり、$C_{p^{2}}$ に同型である。

位数 $p^{2}$ の元を持たないとする。
位数1の元は単位元のみなので、単位元以外の元の位数は $p$ である。
$a\in G$ をとり、$H=<a>$ とし、$b\in G\backslash H$ をとり、$K=<b>$ とする。
ここで、$H\neq K$ であることに注意する。
$H\cap K<H$ なので、$|H\cap K|$ は $|H|$ の約数、すなわち、$1,p$ のどちらかである。
$|H\cap K|=p$ とする。
$H\cap K \subset H$ かつ $|H\cap K|=|H|$ なので、$H\cap K=H$
また、$H\cap K$ かつ $|H|=|K|$ なので、$H=K$
これは、$H\neq K$ に矛盾。
よって、$|H\cap K|=1$ すなわち、$H\cap K=\{e\}$
$H<HK$ なので、$|HK|$ は $p$ の倍数である。
$|HK|=p$ とする。
$H,K\subset HK$ かつ $|HK|=|H|=|K|$ なので、$HK=H=K$
これは、$A\neq B$ に矛盾。
よって、$|HK|>p$ である。
命題より、$|G|$ はアーベル群なので、$H,K\lhd G$ となる。
よって、$HK<G$ なので、$|HK|\leq |G|=p^{2}$ となり、$|HK|=p^{2}$ となるしかない。
よって、 $G=HK$ となり、命題より、$G\cong H\times K\cong C_{p}\times C_{p}$

$\Box$

間違いや、感想がありましたら、コメントをよろしくお願いいたします。

参考文献

雪江明彦, 代数学1, 日本評論社, 2015.
http://rikei-index.blue.coocan.jp/gunron/tyugokuzyouyo.html
http://mathematics-pdf.com/pdf/sylow_thm.pdf